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柴犬をどう見るか 2

前回のブログの続きになります。

ブログの最後に柴犬の運動能力について少し書きました。


特筆すべきはこの運動開始における始動能力。

柴犬のこの瞬間的な体の動きは何に起因するものなのでしょうか?



まず一つは外的要因に関するものでしょう。

つまり、嗅覚・聴覚・視覚などを主とする、外部情報を瞬時に知覚する能力に優れていること。

そして、もう一つは内的要因。

犬自身がもつ知的能力、本能的なものに起因する能力、つまりは判断能力に優れていること。

これらの内因・外因感覚によって瞬時に行動できるその感覚は、柴犬にとって非常に重要な要素といえるでしょう。

鋭敏な感覚を持っていない犬には動作の敏捷性は望むべくもありません。

これは猟犬としての能力にもつながります。


そしてこれを支えるのは体質です。

生まれ持った肉体的素質、そして鍛錬こそがその動きを支える強壮、堅靭さ、そして持久力を生み出します。


これら柴犬という種が持つ素養にはすぐれた血統が非常に重要な要素といえるでしょう。

ただそこには欠点も存在します。

柴犬特有の性質・性格には、受け取り方によっては良い面と悪い面が存在します(これはどの種についてもそうなのですが)。

純血統だとその両方の面が強く出てしまう傾向があります。


例えば柴犬だとも家族以外にはなかなか慣れなくなってしまうことがあります。

また、感情の表現が地味で分かりづらく、あまり社交的ではなく頑固な性格であることもあげられるでしょう。

つまり、勇敢であるがケンカ早く、猟能性があり帰家性が強いなど、長所と短所をあわせ持っているということです。


柴犬にかかわる人たちにとって、柴犬の精神面での原始性・野性味は大事にしたいポイントです。


"Gefällige Erscheinung ist anzustreben, doch darf die Gebrauchstüchtigkeit des Hundes dadurch nicht in Frage gestellt werden."

「見た目の美しさを追求するのは結構だが、それによってその犬の機能性が損なわれてはならない。」

(ジャーマンシェパードの父、マックス・フォン・シュテファニッツ)




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