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柴犬のしつけ術 ~タッチング(前半)~


上から押さえつけられている子犬」

タッチングとは、簡単に言うと犬のどこを触っても大丈夫な状態にしつけることです。

犬は本来、体の先端などを触られることを嫌がります。適切なタッチングを行うことで、犬から人に触られることに対する忌避間をなくし、安心して触れるようになります。

これは人と犬との絆を築くために最も重要なしつけの1つであり、安心して人間に従うようになります。


以下、具体的な方法をご説明します。

タッチングを始める際は、ホールドスティルやマズルコントロールなどのしつけで使用したものと同じ敷物を用意してください。



・最初に、犬を飼い主からみて真横に寝かせた状態にします


横になった子犬

まず犬をホールドスティルの状態にします。そのまま、軽く犬の両足を持ってください。この時に犬の体の力が抜けていることが大切です。

両足を持つ事ができたららそのままゆっくり前に倒して犬を伏せの状態にさせます。

次に、犬の体を横に倒します。ゆっくり犬の腰を崩し、崩れた側に寝かせましょう。寝かせたら、犬の横に移動します。

この状態からタッチングを始めます。


起き上がろうとする子犬

タッチングの状態に入る前に、抵抗して起き上がろうとする場合は、上から押さえ込んでロックします。

大きい犬の場合は自分の胸と犬の背中を密着して乗っかります。小さい犬の場合は、両足を持った状態からゆっくり伏せの状態にして両肘できちんと犬の背中をロックしましょう。



ベロを出した子犬

犬が抵抗する場合は、力を入れて抑えても反発してしまうので、軽くロックすることを心がけましょう。

中途半端なロックは逆効果です。「犬をロックはしたが抵抗したから離した」という状況になってしまうと、犬は「暴れると自分の要求は通る」ということを学習する羽目になってしまいます。



・犬を真横に寝かせることができたら、タッチングを進めていきます。


なされるがままの子犬

体の隅々まで触ることが大切です。20分から30分間タッチングを続けてください。

前足と後ろ足の先、耳の先、鼠蹊部、股の間等、全身を触ります。

犬の体の端部、耳の先や、口の先、足の先、尾の先は、神経が敏感にできており、敵から攻撃された時に、真っ先に怪我をする部分でもあるので、犬は基本的に触られるのを嫌がります。つまりそこに触られても反応しなくなった場合、それが信頼や服従の証となるのです。

訓練を続け、体の端部を触っても抵抗しない状態まで繰り返しもっていくことが理想です。


プレッシャーを感じていると、犬の体に力が入りますが、続けているうちに、だんだんと力が抜けてきます。タッチングの最中に犬が居眠りをしてしまうくらいに安心した状態になると、しつけは成功したようなものでしょう。


タッチングを継続的に行うことで、常にどこを触られても抵抗しない状態を作ることができます。これは犬との生活の中で大きな意味を持ちます。例えば爪切りや耳掃除のときおとなしくしていてくれると日々のお手入れが安全で快適なものとなります。

また、穏やかな性格を形成するのにも効果的です。日常的に十分なタッチングを行うことで、触れられることへの忌避感をなくすとともに、触れ合うことへの気持ちよさや安心感が生まれます。そうなれば今以上の幸せを感じるようになるでしょう。

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